蒲焼きの原料となるウナギは、そのほとんどが養殖されたものなので、品質としての脂肪含量も最適に管理されていると思っていました。しかし、養殖業者によって、また同じ養殖池の中で育ったウナギの中でもばらつきがあるようです。そして、それが加工された白焼きに、そして店舗で提供されるかば焼きのおいしさにも影響を与えます。以下に、白焼きうなぎの脂肪測定について紹介します。加工された白焼きは、加工直後の室温測定(焼いた直後は魚体温度が高く不安定なので室温で安定させる)とそれを冷凍したいわゆる冷凍白焼きの状態の、つまり2種類の環境で測定することが想定されます。
まず、皮側と肉側のどちらで測定するかを考えます。一般的に魚の脂の乗り具合は、皮のすぐ裏側で多く蓄積されるので通常は皮側から測定を行います(完全非破壊測定)。しかし、白焼きの皮側は写真1に示したように、黒く焼け焦げた部分が広く散在している状態であり、スペクトル測定(光学測定)には、測定試料の黒色は光が反射しないので苦手です。したがって、今回は写真2,3のようにウナギを開いた肉側部分での測定としました。
冷凍状態でない魚は測定ヘッドが魚肉に密着するので表面での光散乱が少なく測定しやすいと考えられます。逆に冷凍状態では測定面が硬いので、測定ヘッドが密着せず多くの表面散乱光が観察されます。この表面散乱光は測定の邪魔をします。したがって冷凍状態でないほうが精度良く測定できますが、生産の現場では冷凍状態での測定が必要な場合があります。今回は両者の測定結果を掲載しました。下に示した2つの散布図が結果です。全体的に見て両者とも想定した測定精度よりもやや低い結果ですが、筋肉側(内部側)から測定したことが原因と考えられます。
今回の脂肪含量とは、白焼き半身の皮を取り除いた筋肉を均一化して分析を実施しました。通常、ウナギの皮も蒲焼として食するのでそれも含めた脂肪含量を分析することが当然です。しかし、化学分析の際に皮が魚肉と一緒にきれいに均一化できず正しい脂肪含量が分析できないことから除外しました。




