冷凍カツオの測定

 国内に水揚げされるカツオの大半は冷凍カツオです。そして漁場や時期によって脂肪の含量が大きく変化することが知られています。冷凍カツオの流通や加工の際に脂肪の多寡は品質に大きく影響されるので、原料としての冷凍カツオの脂肪含量を非破壊迅速に測定することには大きな価値があります。
 カツオの表皮には黒色のメラニン色素が沈着しているので、近赤外分光法により測定するためにはより多くの反射光が得られる場所を探す必要があります。ここでは、冷凍カツオ腹部の黒い縞模様のない部分で測定することにしました。上に示した右の写真の部分です。この写真では銀白色の部分で測定していますが、その内部真皮にはメラニン色素が沈着していることが多々あります。外観から見えない部分で黒色真皮が存在すると、やはり光の反射が弱くなり結果として推定値のバラツキが多く発生することになります。しかし、ほかに適切なスペクトル測定場所が見当たらないため、とりあえずこの測定法で冷凍カツオの脂肪含量を推定する検量線を作成しました。
 測定温度は、厳密に冷凍カツオの温度を定めずに、大まかに凍った状態のカツオとしました。しかし、表面の解凍が始まるまで放置した状態で測定すると、水の吸収スペクトルの挙動が大きく変化するのにともない推定値も大きく外れるので注意が必要です。
 上に示した左側の冷凍カツオの写真の見るとわかるように、水揚げ時や冷凍庫から出庫時には表面に氷の塊が付着しています。このまま所定の部位でスペクトル測定すると氷の影響により光が表面反射して正常なスペクトルデータ得られません。したがって、測定時には所定部位を濡れ雑巾で拭き取る・少量の水をかけるなどの作業を行ってから測定することが必要となります。
 検量線を作成するための化学分析値の求め方は、アジ・サバと同じように冷凍カツオ半身を裁断・均一化させた魚肉を分析した、いわゆる可食部脂肪含量としました。検量線を作成するために大きな塊の魚肉を処理して、さらに多くの検体数をこなすことは大変な作業です。しかし、検量線を作成してしまえばそれ以降は未知のサンプルについて、実際に化学分析を行うことが大変な可食部脂肪含量を容易に推定できることになります。
 今回、検量線作成に使用した冷凍カツオは可食部脂肪含量として0-6%くらいでしたが、現実には東沖カツオといわれる脂ののったカツオでは8-9%くらいあります。今回は都合によりそれらサンプルが入手できなかったので、今後追加して検量線を補強する必要があると思われます。

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