近赤外分光測定法とは

近赤外分光光度計を用いることにより、魚の脂肪量などを非破壊で測定することが可能となります。

 一般的に化学分析に用いられる分光光度計では、液体試料に対して標準物質を用いて検量線(分光光度計のスペクトル情報から成分の濃度を推定する計算式)を作成し、その後に未知試料を測定します。しかし、近赤外分光法では検量線は事前に作成しておき、未知試料測定後にそれを参照して計算を行います。魚の脂肪を非破壊で測定する場合もこの方法を応用します。流通や加工の現場で魚の脂肪を非破壊で測定する場合では、測定魚の表面の状態や測定環境の温度や光条件などによる測定誤差の許容範囲を考慮した検量線を魚種ごとに作成します。

 近赤外測定法では大きく分けて2種類の測定方法があります。一つは通常の分光光度計では透明セルを用いて光を透過させる「透過測定法」であり一般的な測定方法です。もう一つの方法は、光を試料に反射させてその反射光を測定する「反射測定法」です。ミカンやリンゴの糖度測定などでは大型の光源(ハロゲンランプ)を使用すると、果実中を光が透過した透過光で測定することが可能です。しかし、小型のランプを用いる場合や、試料の色が濃いなど光が透過しにくい条件の時には透過測定法が困難です。そのため、多様な形状の試料を非破壊で、あるがままの状態で測定する場合は、反射測定法が効果的です。この場合は、直接、光を試料中に投影して、できるだけ内部の情報が反射してセンサーへ戻るような仕組みを構成しなければなりません。ここに紹介する測定器も「反射測定法」により魚の脂肪量を測定します。

  ここで紹介している小型測定器も分光光度計の一種なので、測定器の内部に分光光学系回路が内蔵されています。しかし、小型測定器の内部に分光光学系を独自に組み込むことは困難を伴います。したがって、本測定器は㈱浜松ホトニクスが製造販売している分光器ユニットを使用しています。分光器にはCMOSリニアイメージセンサーが搭載されており、小型測定器として迅速な測定を可能にします。1回の測定時間は検量線作成時の積算時間により異なりますが、一般的には1~3秒を要すると考えてください。

 測定結果は本体の液晶に脂肪含量 % として測定直後に表示されます。

分光器ユニット

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