




光学測定において黒色対象物(固体・液体・粉体など)の測定は、照射した光が吸収されて反射・透過しにくいため困難を伴います。加工食品としてスーパーマーケットに陳列されているかつお節(正確にはかつお節の削り節)は肌色の削り花を呈しており明るい色です。しかし、その原料となるかつお節荒節は上記上段左の写真に示すように、ほぼ黒色の塊です。さらに製造工程中のばい乾工程で燻煙に長時間さらされるため煙の成分が表面に付着しています。これが光反射測定をさらに困難にさせます。
1尾のカツオから雄節2本と雌節2本が製造されるため、同じかつお節でありながら形状の異なる2種類のかつお節が生まれます。この2種は、加工後の表皮の残り具合、外見、脂肪量などが異なります。上に示した中央写真では、上部が雌節、下部が雄節です。したがって、脂肪量を推定する検量線も雄節測定用と雌節測定用の2種類を作成する必要があります。
上に示した中央写真では測定器によりスペクトル測定している写真を示しました。かつお節(雄節・雌節)の場合もアジサバと同様に表皮の上から測定を行います。その理由は、一般的に多くの魚では表皮に近い部分の筋肉に脂肪の蓄積が認められるからです。しかし、そのままでは黒くなった表皮部分での測定は困難です。そこで、上に示した右の写真に示すように、測定部分の表皮をグラインダーでわずかに削り落としてからスペクトルの測定を行うこととしました。
化学分析値は、1本の節全体を粉砕して均一化させるのは大変な作業なので、節を横に置いた状態で右・中央・左の3分割を行い、その中央部分を粉砕・均一化して脂肪量の化学分析を実施しました。この化学分析法を念頭に置いて、測定器で未知のサンプル(かつお節)を測定して得られた結果から節1本の脂肪含量の多寡を評価してもらいます。
雄節・雌節で脂肪量推定検量線を作成したときの化学分析値と推定値の関係を写真の下にグラフで示しました。今まで説明したように厳しい条件での測定なので、アジ・サバのようにきれいにまとまった散布図とはなっていませんが、今までは不可能であったかつお節荒節の非破壊測定が、この測定法によってある程度の脂肪量の評価が可能になると思います。